本記事は2019年8月に作成されたインタビュー記事です。
陸前高田唯一のスポーツ用品店
スポーツ用品はもちろん、ユニフォームやオリジナルティーシャツの発注まで。ササキスポーツは、陸前高田にただひとつしかないスポーツ用品店だ。
お店に入ると感じる、スポーツ用品店特有のワクワク感。インターネットでの購入が当たり前となりつつあるなか、商品を実際に手に取り、自分に合ったものを探せる。ササキスポーツは市民にとって貴重な存在だ。スポーツに明るいスタッフが揃い、必要なサポートを提供する。まさにプロフェッショナルな店である。
1980年4月、個人で営業していた友人が怪我でお店を継続することができなくなり、仲間で引き継ぐ形としたのがササキスポーツの始まりだ。陸前高田市にあったサンプラザという商業施設のなかでオープンした。当時は市内にスポーツ用品店が3店舗あり新規参入は難しい部分もあったが、店主の菅野修さんはソフトテニスの国体選手で、学校の先生との繋がりも強く、一度東京で会社に勤めたときのメーカーとの繋がりもあり、スポーツ用品店としての地盤は盤石の状態でスタートを切ることができたのだ。
「東日本大震災があっても、子どもたちの大会はなくなったわけではないんですよ」と語る菅野さん。 震災後は、国道45号沿いの仮設店舗で営業を再開した。売り場面積としては3分の1くらいの規模になってしまったが、子どもたちをバックアップしたいという思いで震災の年の10月に営業を再開した。
立地的に学校から離れてしまったため、子どもたちが自分だけで買いにくることが難しくなってしまったが、両親が車で買いに来たり、本設店舗に移る前には仮設店舗近くの住民から便利だから行かないでくれとさえ言われたという。市内唯一のスポーツ用品店の、その需要の高さが伺えるエピソードだ。
スポーツ用品の取り扱いには売上による制限があり、メーカーによっては取り扱いできないものもある。要望にはできるだけ応えたいが、人口減少の影響もあって全ての要望に応えることが難しくなってきているそうだ。
現在はスポーツ用品の販売のほか、東北で唯一の足型測定機を設置し、オリジナルのインソールを作成するサービスも展開している。オリジナルウェアやユニフォームの作成も請け負っている。ササキスポーツは、市民の、そして地域の子どもたちにとって必要不可欠な、陸前高田市のスポーツ人口を支える店だ。
足型測定器によるオリジナルインソールは、怪我の予防だけでなくパフォーマンス向上にも大きく影響する。