
本記事は2020年8月に作成されたインタビュー記事です。
十五番
青いのれんをくぐると、右手にカウンター席。左手には個室がある、カラオケ居酒屋・十五番。カラオケは個室のみとなっているが、1時間ひとり300円とリーズナブルに楽しめる。完全個室なので、居酒屋特有のたばこの煙を気にすることなく、安心して子どもを連れて行くことも可能だ。
一般的な居酒屋だと、食事メニューが少なかったりもするが、十五番のメニューは豊富だ。おつまみ系のメニューから、カレーやラーメンといった食事も楽しむことができる。深夜まで営業してくれているのも嬉しい。お酒を飲みにくるもよし、家族でご飯を食べながら楽しむもよし。利用者によって、様々な使い方ができるのが、この十五番だ。

戦後の時代、昭和20年代に質屋として開業した十五番。その後、時代に合わせて業態を変更しながら、経営を続けてきた。店名からも、その歴史の古さが伺える。十五番というのは、当時の電話番号からとった名前なのだ。役場の番号が1番で、15番にかけると十五番につながった。その後、食堂を開始し、震災前になると居酒屋として営業をしていたそうだ。
東日本大震災後は、通岡峠でスナックを経営。2013年ごろに、市役所の近くにある仮設店舗で居酒屋を開店した。2018年に本設オープンした現在の十五番は、カラオケ居酒屋という業態になる。現在は営業されているのは、3代目の萩島剛寿さんだ。
店内にはカウンター席のほかは宴会ができる大部屋のほか、個室が用意されていて、カウンター席以外がカラオケも楽しむことができる。個室にしたことで、家族連れの方が増えてきているそうだ。
店主のオススメは、豚バラにんにくとコーヒー酎。にんにくを豚バラでくるみ、パンチのある揚げ物となっていて、おつまみには最適だ。コーヒー酎はオリジナルで、口元に運ぶとコーヒーの香ばしい香りが漂う。コーヒー好きにはたまらないお酒だろう。
「震災後、カラオケ歌えるところが少ないんですね。カラオケ店が無いのでスナックに行かなきゃカラオケは歌えない。子どもつれてきたいけど、スナックだと子どもは無理ですよね。親子でカラオケ歌えるところを作りたいなと思って、こういうお店を始めました」
家族でも楽しめる、陸前高田では数少ない貴重なカラオケ居酒屋が十五番だ。
